大判例

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大阪地方裁判所 昭和51年(ワ)4353号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

七、所有権に基づく土地の明渡しとその明渡済みまでの賃料相当損害金の支払を求める訴訟において、原告が被告の賃借権を抗弁を否認するとともに仮定的に賃貸借契約の終了を主張し乍ら、訴訟の中途で賃料相当損害金の請求額を時価に従い将来に向つて増額した場合でも、右損害金の請求及び増額変更が、予備的には借地法一二条に基づく賃料増額請求としてもし、その趣旨の裁判をも求める意思が明示されていないときは、右訴訟による賃料相当損害金の請求及び訴訟中のその請求額の増額変更が、当然に借地法一二条による賃料増額請求としての効力をも有するものと解することはできない。何となれば、借地法一二条による賃料増減額請求は、その形式を問うものではないが、その意思表示は、契約による借地の使用の対価として支払われるべき金銭等についてこれを増減額する意思が明示されることを要するから、契約の不存在若しくはその終了を前提になされた損害金の支払請求に、右契約の存在を前提とする賃料増額の意思表示が込められたとするには、更にその旨の明示の意思表示なり請求態様がとられる必要があるからである。

八、よつて、原告の前訴における訴状による損害金の請求及び訴訟中のその増額変更請求が当然に借地法一二条による賃料増額請求としての努力を有したことを前提とする本訴請求は、爾余の点を判断するまでもなく失当として排斥を免れない。

(潮久郎 大和陽一郎 矢延正平)

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